1,631円(税込)
初刷、1996年7月
徳間書店
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著書一覧
[目次]
第1章
「平成金融戦争」に敗れて死屍累々 こんな「重体」日本経済に誰がした?
第2章 「ワシはもう借金払わん」同盟罷業
- 怒らんか「ローンの休日」で!
- こうすれば借金苦よ、サヨナラ!
- 「金融システム保全」の大嘘つきたちに騙されるな
第3章 歪められた「バブル白書」 政府(大蔵)日銀の“愚策”の数々を検証する
- プラザ合意まで
- 第一次バブル一ブラックマンデーまで
- 虚構の膨張、あわてる政府−第一次バブルの終蔦
- 悲劇の伏線、相続税対策−第二次バブル発生
第4章 狂乱地価の“演出家”たち 不動産がわかれば“実体経済”が見えてくる
- 動き出したバブル不動産
- 地上げの嵐と「の」の字の法則
- マスコミの嘘と報道の時差
- 投機を呼ぶ思惑
第5章 “不動産屋”の「Xファイル」 さまざまな人間模様をかいま見る
- おごる上司をリストラした男
- 就職難、女子大生の反乱
第6章 “原罪”の深層剔抉 A級経済戦犯に判決“Guilty death by hanging!”
- 冷酷な国際金融マフィアの陰謀
- 凝りない“陸軍省”大蔵の超大罪
- 蒙昧な日銀の“大本営発表”
- 度しがたき“関東軍”銀行の暴走
第7章 ノー・モア「モアの方舟」で日本再浮上! あなたはこうして二一世紀の担い手になる
はじめに
「住専」「出口なし不況」・・・・・・、あるいは「薬害」「空出張」「乱脈融資」・・・・・・エトセトラ、エトセトラ!
今日ほどまでに日本国民がいわゆる“指導者たち” に不信と怒りを抱いたときがあったでしょうか!?
もとより、とうに政治家には絶望していました。しかし、まさに一縷の望みをかけた官 僚たちまでも・・・・・・。
そして、信用を旨とする銀行員による金融犯罪が多発し、倒産と失業は史上最高を日々更新しているのです。リストラという名の首切りが横行し、連日の金をめぐる殺人事件など世情は荒廃して、家庭も国家も「借金地獄」の炎に包まれているのです。
最大の悲劇は、自殺者数の増大です。年間約一万人といわれる交通事故死の、なんと三倍近くものこの自殺は、事件ではないからと報道されてはいません。しかし、平成二年の「バブル崩壊」以来、これまでの六年間のその総数は、まさしく「歴史的大事件」であり、経済的絶望による病死を含めるなら、かつての太平洋戦争の戦死者に匹敵する数となります。
また、バブル崩壊で失った国富は一千兆円とも試算されています。今、先の“敗戦”「昭和の敗戦」と同様な「平成の敗戦」下に日本はあるのです。
この昭和と平成の両敗戦には、実に多くの共通点があります。それは本文に詳しく語っていくつもりです。しかし、共通 する原因が解明されても、国民が現在の煉獄の苦しみから解放されるわけではありません。今、緊急に必要なことは、一人一人の国民がこの苦しみからどう身を守り、家族を守り抜くかの術を会得することです。そのためには、この悲劇的敗戦の実体を知らなければなりません。
といっても、私はいわゆるバブル経済を学問的に分析しようなどとしているのではないことを、まずお断わりしておくべきでしょう。私は長年、不動産取引に身を置いて銀行との取引を継続的に経験してきました。不動産と銀行の実態がわからなければ、平成の敗戦も今日の大不況の実態もわかりません。最前線を駆け抜け、死線を越えた者にしか生き延びる術は会得できません。不動産は株式とともに最も敏感に経済動向を反映し、不動産がわかれば“実体経済”が見えるのです。
さらには、激動の国際情勢とそれを操る勢力の手法と戦略がわからなければ、我が身と家族を守れません。悲しむべきは、日本の指導層にそうした思考も戦略も欠如していることです。それまでの経済成長の成果 に慢心していたのです。慢心が悲劇を生みました。
詳しくはこれも本文に記していきますが、第一次バブルの主役は地上げ屋でした。第二次バブルの主役は国税庁でした。税務当局が土地の評価額を年々倍増させたために、庶民は相続税破産の恐怖に陥りました。バブル時代を演出したのは銀行です。銀行の誤指導のもと庶民が防衛対策に全力を傾注していたそのとき、日本は国際金融マフィアの謀略にはまりあえなく陥落してしまいます。
日本人には金融戦争の経験などなかったのです。完敗は当然の帰結でした。また、金融戦争はいわば“空中戦”です。その意味では、物の製造・販売は“地上戦”となりましょう。かつてと同じように、地上戦に強い日本が空中戦でまた敗れました。さらに、その個々の戦闘ではかつてレーダー等の電波戦で敗れたように、形を変えた情報で敗れたことも昭和の敗戦との共通 項です。
この平成の敗戦で、前述した数十万人の戦死者(自殺、絶望の病死)を出しました。そう追い込んだのは、バブル経済の立役者・銀行だったのです。銀行は借金取立て業に変身していたのです。庶民にとって税務当局は前門の虎、銀行は後門の狼であったのです。この虎と狼の監督官庁が大蔵省です。つまり、日本国民は国(大蔵省)に殺され、富を失ったのです。
一方、国民の生命・財産を守るのが政治家の役割であり、納税者(タックスペイアー)の利益代理人が代議士のハズでした。しかし、ゼネコン汚職や住専問題に顕著に現われたように、彼らも税金を食いつぶす貪欲な「タックスイーター」なのです。
政治家や官僚等々、日本社会の上部は税収を基盤とするタックスイーターに占められた現在、社会の下部を形成する我々庶民はもはや彼らに何も期待できません。されど、絶望は愚か者の選択。庶民が身を守るため全員でスクラムを組めば、これからお話しする「逆転の借金経済学」が国を救い、国民(自ら)を救えるのです。そのためにこそ、本書があります。
陽はまた昇るのです。本書が種々に役立てられ、いささかなりとも読者の方々の幸せに寄与しえたなら、著者としてこれに優る喜びはありません。