「賢者の経営五輪書」P163の問いに対する正解はこちら


<賢者の経営五輪書P163の本文>

私は信州の千曲川のほとりのりんご農家の末っ子に生まれました。(6人兄姉)

観光農園を始めたばかりの長兄に東京の三越百貨店(日本橋店)から、全国ふるさと物産展に信州りんごを代表して出店要請があったのです。

長兄は大喜びで私に東京での責任者として働くように依頼したのです。

私も大喜びで引き受けました。なぜなら、ちょうど早稲田大学の体育館が東京オリンピックのフェンシング会場になり休校となっていたからです。

三越百貨店は1階の天女の像の前と屋上の2ヶ所にスペースを作ってくれました。ナゼたかがりんご如きに最高の場所を用意してくれたのか、未だにわかりません。長兄は大張り切りです。クレーン車でりんごの木2本を運び込み天女の像の前に設置しました。大変な設備投資です。回収するには、もうりんごをたくさん売るしかありません。ナントその頃のりんごの値段は1個5円でした。40数年前のことです。物価も給料も今の20分の1から30分の1時代のことです。クレーン車代賄うためにはりんごを何個売らなければならないのでしょう。物産展は1週間と言っても定休日を除き6日間の勝負です。

しかし、初日、2日目とほとんど売れません。大赤字が決定的です。

悩んだ私は、りんごに付加価値をつけることにし、3日目から即実行しました。そしてりんごの値付けを10倍にしたのです。1個5円のりんごを1個50円にしたのです。すると展示ブースの前を通るお客様が「何これ?」と関心を示し飛ぶように売れていくのです。

さて、りんごにつけた付加価値とは一体何かお分かりになりますか?


<回答>

正解はリンゴに枝と葉っぱをつけたことです。
2.3個付いているリンゴを葉っぱごと、枝ごと売ったのです。
その当時、枝付き葉っぱ付きリンゴは珍しく、通る人は食べようとしたのではなく、見せようとして買ってくれたのです。
子供や孫に見せてやりたいというたくさんのお年寄りが10倍の値段にもかかわらず買っていきました。
日本橋三越の客層は大変金持ちで、珍しくさえあれば買っていってくれたのです。
枝付き葉っぱ付きリンゴの売上に驚いた日本橋三越は、新宿三越での物産展を勧め、地下鉄丸の内線出口近くの最高の場所を提供してくれました。
東京でリンゴを売る秘訣は葉っぱと枝をつけることだと知った私は最初からリンゴに枝と葉っぱを付けて並べましたが、今度は全然売れません。
「これはダメだ。同じ三越でも日本橋と新宿では客層は全く違う」と思った私は、2日目からは枝と葉っぱを全て取り去り、一山いくらでその時の相場で全て売り切りました。